排除工作車を作る!
TOP模型部屋製作記1/32 横浜消防 排除工作車 製作記
2015年10月18日 またも構想に5年ほど費やしてしましました(^_^;)新たな企画がスタートします。

今回モデルになるのは横浜市消防局、緑消防署 白山消防出張所に配置されている排除工作車です。前作に引き続き消防の特殊車両でございます。最近はアオシマさんから1/72消防車のリリースが発表されたり、だんだんこのジャンルにも光が当たってきた感がありますが、1/72というスケールでガッカリされた方もいらっしゃると思います。しかし消防車というのは各市町村の消防組織が1台1台ほぼ特注という形でメーカーに発注する、いわば世界に1台しか存在しない車両ばかりですので、コストのかかる1/32スケールでのキット化は現実的にやはり難しいのだと思います。組みあがった所で『○×市○×消防の車両』にしかなりませんので、拡張性にも欠けてしまいます。メーカーさんにとっては悩み所だった事でしょう。私は今後のラインナップも楽しみにしていますよ!アオシマさん!(^o^)/~

ってなわけで、スクラッチは怖くて手を出せない方にも、この製作記を見て勇気を出して挑戦して頂ければなと思っております。、『安心してください!作れますよ!』(笑)

前置きが長くなりましたが(笑)今回モデルになる排除工作車、ベースはコマツのPW128UUというホイール式油圧ショベル。ブーム&アームがコンパクトに収納可能な画期的なデザインで、当時TVCMでも放映されていた記憶があります。こちらの車両を横浜市消防局が水管を取り付け放水機能の追加、そして運転席後部に座席を追加し2名運用可能な改造を施して、2001年より運用している特殊消防車両です。先端のアタッチメントは掘削用のバケットの他、鉄筋カッター、油圧フォーク、油圧ブレーカーに交換することにより様々な排除工作活動が可能となります。また、これらアタッチメントは、佐江戸資機材搬送隊により、白山出張所の専用コンテナを積載し、現場まで搬送されます。

今回は新たな手法で基本設計をしていきたいと思います。3Dモデリングによる設計です。モデリングソフトで大まかに作成し、完成した3Dモデルが2段目の画像。これさえ出来上がれば、ペーパークラフトデザイナー『ペパクラ』にて展開図を出力。あとはプラ板を切り出して組めば出来上がる・・・はず(笑)ベースは1/35の軽装甲機動車のシャーシを使います。既存キットのパーツは足回り以外ほぼ使わない予定なので、ほぼフルスクラッチですね。ホイールベースを約5ミリ縮めるためにリアアクスルをカット、シャーシもタイヤと干渉する部分を切断しています。キャスト製加工しにくいです(^_^;)フロントタイヤは、ステアリング可能に改造します。タミヤ製でステア不能のキットていうのも珍しいですね。というかこの2両。同じコマツ製だけあって、顔が似ていると思いません?(笑)
比較@
比較A
▲3Dデザインソフトでモデリングした排除工作車。???な所はありますが、展開図を作るだけなのでこれにてOKとします(^_^;) 後にこれを元にしたペーパークラフトをリリースする予定です。
▲モデリングした3Dデータをペーパークラフトデザイナーにて2Dの展開図に展開。ボタン1発でこの通り。
▲タミヤ1/35軽装甲機動車の足回りをベースに採用。リアアクスルを5ミリカットし、ホイールベースを縮める。その影響で干渉してしまうタイヤハウスをノコで切断。ダイキャスト製パーツの恐ろしさを痛感しました(笑)堅くて切れねぇの(^_^;)
▲指を切りそうな恐怖を何度も乗り越え、ひとまず落ち着いたベース部分。フロントのステアリング可動化はまだ終わっていませんが、イメージとしてぐいっとハンドルを左にきってみました。うむ。今のところいい感じ?
10月28日 そんなこんなで出来上がった展開図がこちら。

こちらを元に0.5mmのプラ板を切り出していきます。今回は加工のしやすいエバーグリーンのプラ材を主に使用しています。素晴らしい!切り出したプラ板を組み上げると、3Dデータ通りの形になりました!しかしこの手法による設計だと、プラの厚さを計算に入れた設計が困難な為、プラを切り出すときにプラの厚み分を考慮して切り出す必要があります。

こんな複雑な多面体をドロー系ソフトで設計図を引くのはかなり難しいですからね。ここら辺は一長一短があると思います。

大きさ比較としてモデラーにはおなじみのタミヤセメントを置いてみました。車体の全長はそんなに大きくありません。ちなみにこのセメント2セット。今回新品を購入したのですが、1ビン使い切るまでに必ず一回は倒してこぼしちゃいません?(笑)あ〜あもったいない。って事。モデラーあるあるだと思うのですが如何でしょう?(^_^;)私だけかな?

車体後部のドーザーブレード(排土板)は複雑すぎて3D設計では対応出来なかったので。実車のパーツリストを見ながらせっせと図面に起こして制作。ほとんど車体に隠れて見えないのですが。中ではこんな複雑な構造になっています。左写真は大まかな機構が完成した状態。シリンダーはプラパイプを2本組み合わせたもの。保持力を持たせる為に内側のパイプ先端に瞬間接着剤で肉盛りをし、可動はきつめに動作するように調整しています。※実車写真

4枚目にGIF画像を貼ってみました。すごくわかりにくいですが,、

@フック状のロックレバーを外す。
Aシリンダー伸縮によりブレード上下。

てな感じの実車通りの機構を再現しました。さらなるディテールUPを施した後、ダイキャスト車体側に加工して取り付けます。前回同様のギミックを盛り込むため、車内スペースを確保しながらの地道な作業。いつまでかかるかわかりませんが、最後までごゆっくりお付き合いくださいm(_ _)m
11月13日 大きさのバランスを確認する為にキャビンをペーパークラフトで仮制作してみました。これだけでA4用紙3枚分。どえらい複雑です。全体像が見えてくると、意外とコンパクトw( ̄△ ̄;)w

形にしてみると、色々と問題点も出てきます。プラ材で本整形する際に、1つずつ修正していこうと思います。

散々迷いましたが、タイヤはこれに決定!このサイズで実車通りのオフロード仕様のタイヤって無いんですよねぇ。一番形状の近いトラックからの流用です。ここからさらにホイールは実車っぽく改造します。



    - 実車取材のお話 -
先日白山消防出張所に、実車取材に訪問させて頂きました。なんと所長様自らご案内して頂き、様々な資料を撮影させて頂くことができました。『ここまで細かく写真撮る人は初めてですよ〜(笑)』とのお言葉(^_^;) こいつを模型化しようとする人は前代未聞でしょうから、その通りでしょうね(笑)

しかし、そのお陰で近くで見ないと絶対に気が付くことが出来ないディテールも数多く発見する事が出来ました。今後の製作において、必ず反映させていきたいと思っております。最後に、この度はお忙しい中わざわざ取材の対応をして頂きまして、誠に有難うございました。この場をお借りして、御礼申し上げます。

皆様、
取材画像の公開許可も頂きましたので、今後の製作記内で、実車写真と共に製作過程を掲載させて頂く予定です。お楽しみに♪
11月28日 作品を引き立てる脇役のご紹介その@としまして、災害に巻き込まれた一般車両を製作してみました。製作中の写真はないのであしからず。

駐車場に無人で駐車中に、土砂災害に巻き込まれてしまい道路まで押し流され、ガードレールに衝突してやっと停止。結果的に土砂と共に道路を塞いでしまい、消防活動の妨げとなっているという設定。いや〜。何事かと現場にやってきたオーナーさんはきっと絶望することでしょう(^_^;)

はじめてのクラッシュモデル製作。思いつきで色々やりましたが、いい脇役になってくれそうです♪ベースはマイクロエース、オーナーズクラブの1/32スカイライン。ボンネット及びバンパーは、薄く削ったあと、ライターで炙ったり、ペンチで強引に曲げたりしてダメージを表現。AKインタラクティブのピグメントと塗料で土汚れを表現し、ドライフラワーで付着した草木も演出しています。今後も色々と脇役が登場する予定ですのでお楽しみに♪

冒頭でも解説させて頂きましたが、排除工作車は、震災や土砂災害等により、消防活動の妨げになっている障害物を排除する活動を主な任務としています。横浜市消防局にはこの排除工作車と、特別高度救助部隊が運用する、排除作業車(旧震災作業車)の2台の重機を保有し、もしもの事態に備えています。また、排除工作車は火災等により倒壊の危険のある建物付近での消防活動をより安全に行う為に、先端部のアタッチメントを油圧フォークや、鉄筋カッター、油圧ブレーカーに交換する事により、燃焼建物等の解体工作活動も可能です。

これら消防用重機は、採用する都市によって様々な種類があり、それぞれに違った思想の元での配備、運用をされています。とても興味深いので、またいつかご紹介させていただこうと思います。

※ここでためになるお話※

もし、あなたが車を運転中、大きな自然災害等が発生し、やむを得ず車を道路に
置き去りにしたまま、その場を離れなくてはならない状況に陥ったとします。自分の周りにも
身動きが取れなくなった車と、困り果てたドライバーさんで溢れています。その場合、
あなたならどうしますか?答えは以下の通り。

『可能な限り車は左側に寄せ
鍵は車内につけたまま、貴重品だけを持って避難する

が正解なのだそうです。一体それは何故か?実は大災害発生時、道路に大量に放置された
車両が緊急車両の行く手を阻み、救助活動に深刻な遅れが出ることが問題に
なっているのです。図らずとも自分の車が、消防活動の妨げになってしまった
場合でも、鍵がついたままの車両であれば、関係機関が容易に車両の移動が出来るのです。
大切な車の鍵をつけたままその場を離れたくないのは車のオーナーさんであれば
誰でも思うこと。しかし、その道路の先に今まさに消え行く命があるとしたら?
一刻も早く救急機関に救助活動を始めてもらわなくてはなりません。
そのせいで車両の盗難などがあった場合、保証等はしてもらえないようですが、
人命と車。どちらが大切か。いうまでも無いですね。
こんな状況で悪事を働く火事場泥棒には、必ずや大きな天罰が下るはずです。

そんな中、平成26年11月21日、災害時の放置車両対策を強化した、
改正災害対策基本法が施行されました。これにより、
緊急車両の通行を確保する緊急の必要がある場合、道路管理者は自ら
強制的に放置車両を移動
する事が出来るようになりました。
その際のやむを得ない限度での破損も容認
され、
補償規定も整備されました。詳しくはリンク先をご覧頂ければと思います。

この法改正については、何より重要なのは人の命を守る事。車両排除の際の多少の破損も
やむを得ないとしっかり明記した点は、個人的には素晴らしいと感じています。
今までは放置車両に対し、行政はむやみに手を出せませんでした。

さて、如何でしたでしょうか?マイカーを持つオーナーさんには、是非知っておいて頂きたい事
でしたので、今回記事にさせていただきました。いつ起きるか解らない災害への対策について、
日ごろから考えておくのも重要ですね。

関連動画をご紹介させて頂きます。(外部サイトへ)

@排除工作車と排除作業車を使用した放置車両排除訓練
A
法改正直前の訓練時ニュース映像。重機は東京消防庁ハイパーレスキュー

12月7日 今回はこの排除工作車に仕込む数々のギミックのご紹介。

・赤色灯/閃光警光灯/隊名表示行灯の点灯
・ヘッドライト/ウインカー/ブレーキランプの点灯
・作業灯/サーチライトの点灯
・全ショベル機構の完全可動
・Aロックの機構再現
・各種アタッチメントの再現及び可動
・後部ドーザーブレードの可動
: 済
・ステアリング機構の追加 : 済
・運転席/後部補助席側ドアの開閉

今回もディテールを犠牲にすることなく、上記目標を達成出来るように頑張ろうと思います。LED基板は友人に製作していただいた物。排除工作車の光物点灯パターンを見事に再現されています!まさに感動物。本当にありがとうございます。

さて、排除工作車の腕となるブーム&アームの設計図をひいています。この辺も3D設計ではなく2D設計。通常の油圧ショベルはブームとアームの2本で構成されていますが、PW128UUはブームを2分割にし、折りたたみ可能にしたことにより、コンパクトな格納を可能にしています。それぞれ1stブーム、2ndブームと名称が付けられているようですが、そのお陰で非常に複雑な構造となり、排除工作車に至ってはその周りに水管が取り付けられている為、さらに複雑です(^_^;) ※実車写真

最近ハセガワから発売されたアスタコNEO。発表されてすぐ予約し、発売日に入手しました。使える部品無いかな〜と物色していると、3つの油圧シリンダーの大きさ、長さが共に奇跡の完全一致。このままこのシリンダーをベースにするか迷い中。

前述の1st及び2ndを展開させるシリンダーはプラパイプによる自作が決定しています。※実車写真
▲クリックすると動画が再生されます▲
 
今日はここまで!次回更新お楽しみに!!
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