南フランスの家 写真は下!


家を新築するという幸運に恵まれて、2001年の秋にまだ完成していなかったここに引っ越してきた。フランスではどうやって家を作るのか興味があったので引越しする前に何回も工事の様子を見に来た。札幌の実家を新築したときに見たのとはやはりずいぶん違うなあと思った。「何か規模が違うというかダイナミックだなあ」と感心させられたのは最初から。まず森のような敷地内の100本近くの木を切り倒し、ブルドーザーで整地をするところから始まった。

我々の住んでいるところは町から5キロほど離れているので、都市とは下水の処理も異なる。各家が大きなタンクを地面に埋め込んでそこに一旦溜めておき、水分は自然に地面に吸収され、汚物はタンクに入れたバクテリアに分解させ、分解できなかった分だけがタンクに溜まっていく。一杯になったら業者を呼んで吸い上げてもらうというシステムなのだ。

南フランスでは工事に遅れはつきものである。完成予定日までに工事が終わったなんてすごく珍しいことらしい。我々の場合も例外でなく、結婚式までに充分間に合うように3ヶ月も余裕を見て予定日を決めたにもかかわらず、結婚式の前日まで二人とも内装のペンキ塗りを続けなくてはならず、当日も爪の中にペンキが残っているようなはめになった。

何故我々がペンキ塗りを?ペンキ塗りだけじゃございません。壁を作り足したり、床板を張ったり、バルコニーにアクセスする階段を取り付けたりも家庭内作業で済ませましたわ。こっちの人は本当に日曜大工好き、可能な限り何でも自分たちでやるのである。業者があまり当てにならないからそうするようになったのだろう。こっちのホームセンターに行くとかなり専門的なものが置いてあって驚いた。私はもともと大工仕事が好きなので、こういう「どうせなら自分でやっちまう」姿勢が気に入っている。

家がまだ基礎工事の段階からやることはいっぱいあった。窓、雨戸、ドア、床のタイル、便器、シンク、システムキッチン、細かいところではドアノブまで、これらのパーツは我々自身で各専門店まで行って注文した。特に床のタイルは普通壊れない限り替える事はないので慎重に選ばなくてはならない。もちろんこういったパーツを全て自分たちで選ぶのは楽しいし、贅沢なことである。
家の設計は旦那の意見に基づいて作られていた。良いアイデアだと思ったのは洗濯室とウォークインクローゼット。彼のもうひとつの注文、2階への階段下にピアノを置くスペースを空けることは設計士のミスで出来上がったときは小さすぎた。

さて、私にはとうてい信じがたいがここではさほど珍しくない、ここで家を建てた人なら誰もが直面する問題は業者のいい加減さである。我々の家の問題をざっとあげると、まずほとんど全ての壁が真っ直ぐでない。家具を置いてみると一目瞭然。廊下は特にひどく手前と奥では明らかに幅が違う。当然床のタイルも壁に沿って斜めにカットされている。タイルも平らでなく所々厚みが違う。窓と周りの壁の間に隙間があり、風が入ってくる。外から見えない特殊なバスルーム用の窓を間違って洗濯室に取り付けている。2階は3部屋に分かれているのだが、何と出入り口を開けるのを忘れて隣の部屋にアクセスできない。ガレージの入り口の幅が小さすぎて車を入れることができない。電気の配線がおかしくて照明が何箇所か作動しない。

細かいところまで書いていくと切りがない。致命的なミスは我々が指摘してから直しくれたけども、いつ来るかわからない彼らを待つよりはと自分たちで直せるところは我々自身でやった。しかも引渡し前に掃除もせず、床はセメントでタイルの色が見えないくらい、屋根の上には材料の切れ端なんかを残したまま。家の周りは瓦礫や空き缶が山のようになっていて、靴や作業服も置きっぱなしでひどいありさまであった。

家が完成した後に市から電気配線のチェックと家が設計図どうりに建てられているかのチェックがあり、それをパスした後に初めて2階や地下に電気の配線を引く事ができるのだが、引っ越してきて1年経った今もまだそのコントロールが来ない。申請するのは家を建てた業者なのだが、なぜかまだ来ない。そんなこんなで業者との関係も次第に険悪になってくる。「夢の家」までの道のりは長く、ストレスがたまり、次第に何事も予定どうりにいかないことに慣れてくる。

それでもなんでも「我が家」を持つというのは素晴らしい。しかもこの歳で。彼が以前働いていた会社の敷地内にある狭いアパートからこの家に引っ越してきたとき、全ての荷物とわずかばかりの家具が居間の3メートル四方の小さなスペースに全て収まってしまった。1週間後にせまった結婚式までに少しでも良い状態にするために朝から夜中近くまで掃除や塗装に働いたが二人とも疲れを感じなかった。

結婚式当日。外壁もまだ
塗装が済んでおらず。

雨戸にペンキを塗る私。11枚もあるのだ。

塗装前の家。現在ペタンクコートのある場所は瓦礫の山。

玄関側。

最後にパネルの継ぎ目とビスの上をマスキングして出来上がり。塗装した後は継ぎ目も見えなくなる。

メザニンはただ床があるだけで、自分たちで壁を作った。
まずこの様にアルミの支柱を取り付ける。
そのあとパネルを外側から
支柱に固定し、このようにグラスウールを中に入れてから内側のパネルを固定する。
それから1回部分の壁との
つなぎ目が滑らかになるように
石膏を塗る。写真の義父が
手伝ってくれた。
ガレージの彼が作った作業台に絵を描くわたくし。 はい、完成!でもいつも工具が散らばっててせっかくの絵も見えない・・・。 リサイクルショップで見つけたキッチュなバーを地下室に設置。
ここは音楽スタジオなのだ。
地下室の左の隣の部屋。
私ドラム、うちのパパギター、
旦那ベース。
結婚パーティーの日。
食堂の現在の様子。 バルコニーへのドア。 バルコニー。くう〜夏はここが一番!
長椅子とテーブルはごみステーションで見つけてきた(笑)。
完成前のバルコニー。手すりもなく危険!
   
キッチン。
カウンターは旦那作。
居間。手前のグリーンのテーブルは蚤の市で5ユーロで買って私がペイント。    
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