ペルーアンデス ブランカ山群 登山報告 期間   2001年6月26日〜8月1日(36日間) メンバー 上田幸雄(34歳)、鈴木宏治(27歳)年齢は当時 行動概要 6/26 富山(7:41)〜成田(13:30〜16:05)〜アトランタ(16:35〜20:40)〜 マイアミ(22:35〜23:58) 出国検査でザックに忍ばせていたガスボンベを3個没収されるが、フィルム用 X-RAY BAGに入れたものは没収を免れた。(結局使用しなかったが) アトランタ行きのDL-56便のトラブルで離陸が遅れたためにアトランタでリ マ行きの便に乗ることが出来ずマイアミ経由となる。しかし、今度はマイアミ でチケットトラブルの為、手書きのボーディングパスでなんとか搭乗すること が出来た。長い一日だった。 6/27 マイアミ〜リマ(4:30) 富山を出発して35時間、やっとペルーに入国。しかし、上田の荷物が出てこ ない。アトランタで乗り換えたときに荷物は置いてきぼりをくったみたいだ。 空港職員は明日来いと言うが本当に荷物は届くのだろうか? 空港ロビーでうろうろしていると案の定、客引きがやってくる。騙されたと思 って引っ掛かる。ホテルまでのタクシー$10、ホテル$30(ツイン)。 ワラスへのバスチケットとワラスのホテルをさっき引っ掛かった旅行代理店の チャラに手配してもらう。その後、リマ市内観光。 6/28 リマ(13:00)〜ワラス(20:15) 4時に起きて空港へ荷物を引き取りに行く。バスの時間までホテルで休憩しチ ャラに見送られてMovil Toursの高速バス(弁当付)でワラスへ。 パンアメリカンハイウェイを海岸沿いに北上している間はどんよりとした天気 だったが、海岸線を離れアンデス前山の山麓にさしかかると青空が広がり始め る。バスは山腹を縫うように登り、4200mの峠を越えるころには既に真っ暗。 窓越しに南十字星が見える。ワラスに着くとジョニーが迎えにきていたので、 彼に連れられてホテルへ。しかし、タクシーはどんどん郊外へ走っていく。真 っ暗闇の中を案内されたが、ホテルというより民宿といった感じである。ワラ ス郊外は停電しているようでローソクの明かりが灯るだけ。昼の弁当を食べて から何も口にしていないのではらぺこ。宿のお姉さんに食事を頼んだが、何も 出てこない。真っ暗闇の中知らない町に出かけるのも不安なので仕方なくその ままベットへ。 6/29 ワラス滞在 とりあえず町へ食事に出かけ、ホテル探し。北村さんが前回来た時に利用して いたHostal TANYに移動し昼から買い物、明後日のパストリル氷河ツアーの申 し込みをする。 6/30 チュルップ湖(4300m)ハイキング ワラス(7:20)〜登山口?(8:00)〜ピテック(9:30)〜チュルップ湖 (12:50〜13:20)〜ピテック(14:40)〜ワラス(16:10) ホテルを出てタクシーを拾うがチュルップ湖には行けないという。(たぶん道が 悪いので行きたくないのだと思う)バスがあるらしい(実はトラックだが)の で言われた場所でうろうろしていると登山者らしき外人が声を掛けてくる(こ こでは僕らが外人なのだが)リマ在住の外人さんはお供の少年とチュルップ湖 へ行くらしいので同行させてもらう。トラックはガタガタの山道を登って行く。 途中で子供やおばちゃんが乗り込んでくるのでトラックの荷台は寿司詰め状態。 チュルップ湖の登山口で降ろされ、4人で歩き出すがどう見ても登山道と言う よりは山の畑の作業道である。ピテックに着いて初めて、さっきの登山口がピ テックで無いことに気がついた。ピテックからはいかにもトレッキングルート で歩いているだけでも楽しい。湖ではキャンプをしている人が多数いる。地元 でも人気ルートらしい。帰りはピテックからコレクティーボでワラスへ戻る。 7/1 パストルリ氷河 ワラス(9:50)〜駐車場(14:00)〜5000m(15:15)〜駐車場(16:15)〜 ワラス(19:50) 9時過ぎにバスに乗り込むが街の中をぐるぐる回り客を集め、挙句の果てに街 外れのガソリンスタンドへ燃料を入れに行く。パストルリ氷河まで途中の観光 スポットへ立ち寄り、気分は観光客。パストルリ氷河での自由時間は2時間 30分、とても頂上までいけそうにないので登れる所まで歩く。駐車場から氷 河末端までは馬に乗ることも出来る。氷河では軍隊が雪訓をしているがその横 で観光客が楽しそうにシリセードしている。やはり5000m空気が薄い。 7/2 ワラス滞在 明日からイシンカ谷へ入るので準備と休養。イシンカ谷の麓の村のコリョンは コレクティーボが通っていないので車をチャーターするしかないらしい。往復 60ドル。夕方スーパーへ行くと日本人が声を掛けてきた。彼が金沢の佐藤君 で、北村さんたちとアルパマヨへ行き一足早く下山してきたそうだ。イシンカ 谷へ一緒に入山することにした。 7/3 ワラス(6:30)〜コリョン(8:00)〜イシンカ谷BC4200m(13:00) コリョンでアリエロ(馬方)と馬3頭を雇いBCまで。アリエロと馬は僕達の ペースなんかお構いなしであっと言う間に見えなくなり、BCでここにテント を張れと言わんばかりに荷が置いてある。早く帰りたいに違いない。 BCは山小屋もあり、テントもざっと50張りほどある。牛のうんこだらけの BCにテントを張ってウルスの4600mまで馴化に行く。 7/4 BC(5:50)〜トクヤラフ5450m(11:20)〜BC(14:30) トクヤラフで馴化を行う。まだ薄暗い中出発。3時間ほど歩くと雪が降ってく る。ズックでは寒いのでプラブーツに履き替える。5000m付近から雪が現れる。 HC(5300m)からさらに150mほど登るとクレバスが出てきたので下降するこ とにする。下降途中で雪が雨に変わるがBCに着くと快晴になり、初めてトクヤ ラフの頂が見える。鈴木君の調子が悪いので明日は佐藤君とトクヤラフの西壁 に行くことにするが・・・ 7/5 BC(0:45)〜西壁取付(7:00)〜北西稜5950m(10:30)〜BC(16:30) 月明かりの中を登り、HC上のクレバス帯でロープを付ける。西壁基部へラッ セルしていると明るくなってくる。西壁基部のクレバスを右にトラバースして 右端から壁に取付く。はじめの3p程は調子良く登っていたのだが、自分の体調 と共に天候も悪化。激しく雪が降り始め壁中がスノーシャワーで川のようにな る。10歩登っては頭を壁に押し付け呼吸を整えることの繰り返し。佐藤君に 引っ張り上げられなんとか北西稜に抜ける。彼は頂上へ向かい、自分は下降を 始める。200mほど下ると雪庇・クレバスが現れる。視界もないのでロープを結 びあわないと危険だと判断しその場でザックの上に腰を下ろして佐藤君を待つ。 ガスが切れ始めたのでルートを確認できたところで佐藤君と合流。ロープを付 けて下山開始。しかし、ルートを失いボラードで懸垂して今朝登ってきたルー トと合流した。あとはひたすら下る。 BCに着いて鈴木君が病院に搬送されたことを知る。状況がよく分からないが 今日はもう動けない。明日の馬の手配をしてシュラフに潜り込む。 7/6 BC〜コリョン〜ワラス BCを撤収して馬2頭と下山するがコリョンを目の前にして馬が脱走、30分 ほどでアリエロが馬を引き連れて戻ってくる。ワラスへ戻り病院へ行き、鈴木 君の顔を見て一安心。谷川さん、北村さんが病院に駆けつけてくれた。レント ゲンを見せてもらったが、どうも肺水腫らしい。認識が甘かった。昨日のうち に下山していれば入院することもなく、その後の登山も行えただろうに・・・ 7/7 ワラス滞在 病院へ行くが退院が明日になった。鈴木君と相談し空気の濃いリマへ一度戻り、 休養することにする。谷川さんのはからいで太田さんの所にお世話になること になった。バスを予約し、退院の手続きをする。傷害保険に入っておいて良か った。 7/8 ワラス〜リマ 荷物を整理して、登山用具を谷川さんの倉庫で預かってもらい、リマへ戻る。 リマに着くと太田さんが迎えにきてくれていた。居候生活が始まる。 7/9 リマ滞在 近くの公園に散歩に行くが鈴木君はまともに歩けない。 本人曰く「呼吸の仕方が分からない」 7/10 リマ滞在 公園でランニングと犬の散歩。 7/11 リマ滞在 明日、ワラスへ戻ることにする。バスの予約をしに、ターミナルへ行く。 7/12 リマ(9:15)〜ワラス(17:30) 再びHostal TANY 305号室に戻る。 7/13 ワラス滞在 街をブラブラ、初めてワインを買って飲んでみるがまずかった。 7/14 ヤンガヌコ谷ハイキング ワラス(6:20)〜ユンガイ(7:20)〜ピスコ登山口(8:30)〜ワラス (16:10) 初めてコレクティーボに乗る。ハイエースに15人くらい乗り込んで出発。ユ ンガイで乗り換えてヤンガヌコ谷へ。「ここまでだ」と言って降ろされたのがピ スコ登山口。4時間ほど周囲をうろうろして登山口に戻る。ヤンガヌコ谷はワス カラン、チョピカルキ、チャクララフ、ワンドイに囲まれた美しい谷で観光客 も多く、湖畔や川沿いでキャンプを楽しむ人も多くいた。 鈴木君はやはり調子が悪いので今後の計画を考える。 7/15 ワラス滞在 明日から一人でピスコに行く事にする。準備をしてアルマス広場で昼寝。 7/16 ワラス(5:50)〜ピスコ登山口(8:45)〜ピスコBC(13:15) 前回同様、コレクティーボを乗り継いで登山口まで行く。軽量化したがやはり 荷が重いのでゆっくり登る。山小屋のあるピスコBCは多くの人で賑わってい る。簡単に登ることができ、展望の良いピスコはブランカ山群の中でも人気が 高く登山者が多い。テントを張ってモレーンの上まで散歩と偵察。 7/17 出発(3:50)〜ピスコ・ワンドイのコル(7:40)〜ピスコ(10:10〜10:40) 〜BC(13:40〜15:50)〜登山口(17:00) ヘッドランプをつけて出発。モレーンの中はケルンと踏み跡をたよりに歩く。 モレーンキャンプのあたりで明るくなってきたがペースは上がらない。モレー ンキャンプを出発した先行パーティーに追いつくどころか、後発のノルウェー 人2人組に追い抜かれる。頂上まで展望を楽しみながら登るが、頂上直下のク レバスだけが要注意。BCに戻り茶を沸かしゆっくりするが暇を持て余したの で荷をまとめて下山。明日はチャクララフBCまでトレッキングすることにす る。 7/18 出発(6:00)〜Lag69(9:10)〜ピスコ登山口(11:00) 雲が低く垂れ込め展望は望めそうにないがテントを出る。Lag69は青い水を 湛えた美しい湖、晴れていればチャクララフ南壁が目の前に広がるはずだが壁 の基部しか見ることが出来ない。待っていても天気は回復しそうにないので下 山する。コレクティーボは自分一人を乗せて走り出すが、途中の小学校で先生 を乗せてユンガイまで下る。 夕方、ワラスではじめて雨が降った。 7/19 ワラス滞在 帰国する北村さん、小林さんをお見送り。ついでにリマへのバスの予約を済ま せる。独立記念日の為、値上がりしている。昼からモンテレー温泉へ行く。プ ールと個室があり、お湯は錆び色で鉄分が多いようだ。久しぶりの温泉で英気 を養い、やっぱり風呂上りはビールでしょう。 7/20 ワラス(6:30)〜カシャパンパ(8:30〜9:30)〜パチャルリ谷出合 (12:00〜12:30)〜イチコーチャ(15:50) カシャパンパまではチャーター車で行く。コレクティーボで行けば安いのだが、 1)乗り継ぎ等で時間が掛かる事、2)前回イシンカ谷で帰りの車をキャンセル しているのでその分の金が浮いている事、から車をチャーターすることにし た。カシャパンパでブーロを手配するがトレッキングに行く欧米人は自分で 荷を背負い歩き出していく。基本的に体力が違うのだ。情けない。パチャル リ谷出合までは狭い谷だが次第に谷は開けてくる。沢にはトルーチャが泳い でいるのも見える。谷の奥に見えるタウリラフを眺めながらちんたら歩いて いると茶店が出てくる。山中唯一の茶店だが用がないので寄らなかった。イ チコーチャで先行していたブーロと合流しテントを張るが既に陽は沈み寒 くなった。アリエロはその辺の岩屋に潜り込み今宵の寝床としていた。とに かく星のきれいな夜だった。 7/21 イチコーチャ(7:40)〜クイシュアル(10:10〜10:30)〜アルパマヨBC (12:30) キタラフが谷の奥に見えてくるようになると、タウリラフが姿を消した。クイ シュアルからつづら折の道を登ると対岸にパロン、アルテソンラフ、カラスが 見え、さらに登るとキタラフ、アルパマヨが姿を現す。パンパをアルパマヨを 眺めながら歩くとBCに着く。アリエロは今や遅しと我々を待っている。賃金 をもらうとその日のうちにカシャパンパまで戻り明日の仕事に備えるのだ。 昼から雲が出てくるが夕方には快晴となり、今宵も星が美しい。 7/22 BC(7:15)〜MC4950m(11:30〜12:35)〜5300m(14:30)〜 MC(15:10) 明け方、大小マゼラン雲がくっきりと見える。昨日ブーロとアリエロは解雇し たので鈴木君は朝早くカシャパンパへ戻っていく。BCを撤収し不必要な物は サブザックに入れてデポしておく。今日の予定はモレーンキャンプ(MC)ま で。重い荷物に喘ぎながら登っていくが後続に次々と追い越される。MCは岩 棚で水が確保できないので少し上の雪の上にテントを張りHCまで偵察に出か ける。途中跨げる程度のクレバスを通過しHC直下の急登に辿り着くが、ロー プがフィックスしてあり順番待ち。時間に余裕がないのでロープとスノーバー をデポしてテントに戻る。 7/23 MC(1:20)〜キタラフ・アルパマヨのコル(3:40)〜フェラーリルート取 付(6:00)〜終了点(9:00)〜頂上(9:30〜9:40)〜HC(12:40)〜 MC(13:20〜14:30)〜BC(15:50) 満点の星空の下、トレースを辿り昨日のデポ地点まで登る。この先もトレース に導かれHCに辿り着く。HCには20張ほどのテントがあるが、やる気がな いのか、どのテントも真っ暗だ。唯一キタラフの北面にヘッドランプの明かり が見える。南西壁への取付きは一度下降し緩い斜面を登り返すとクレバスの脇 にフィックスロープが現れる。クレバスはフィックスを使用し通過するが、こ のフィックスは稜線直下100mほどの所まで延びていた。壁の取付きまでく るとやっと明るくなってきた。フィックスにタイブロックをセットしダブルア ックスで登り始める。下部は広く緩い堅雪壁だが登るにつれて狭く急にまた氷 が露出してくる。フィックスの終了点からはロープを出してアイスフルートを 3Pで稜線に出る。稜線は頂上までナイフリッジとなり、雪庇も出ている。50 mで氷のハング下のテラス、さらに50mで丁度頂上に着いた。すでに東面から ガスが出始めた。狭い頂上で写真を撮り下山開始。25m、4回の懸垂下降でフィ ックス終了点。ここで下からガイドパーティーがロープをフィックスしに登っ てきた。言葉を交わしさらに下降を続けるが、すでにガスに巻かれ展望無し。 両足で歩ける頃には晴れてきたが頂上付近はガスが流れている。良いタイミン グで登頂できたようだ。コルからは1回懸垂しクレバスを4つ跨いでテントに 戻る。時間も早いのでBCまで下降する。BCでピッケル、バイル、登山靴な どトレッキングに不要な物を売り払う。 7/24 BC(7:00)〜プンタ・ウニオン(11:45)〜パリア谷出合(14:30)〜 フアリパンパ(16:00〜17:20)〜フアリパンパ村(18:00) 夜中から雨が降り始める。昨日下山しておいて正解だった。トレッキングも天 気が悪くては面白くないのだが、有名ルートなのでプンタ・ウニオン目指して 出発する。タウリパンパを過ぎて峠にかかる頃から雪になる。周辺がどんどん 白くなっていく。楽しみにしていたタウリラフの展望は望めない。峠の周辺は ブーロやトレッカーが交差し賑やかだ。峠を越えて標高を下げると雪は雨にな り、時折晴れ間が覗くようになる。フアリパンパの池の横にテントを張るが雨 がひどくなり、フライのないテントでは雨漏りで不快。撤収して村まで歩き、 納屋の軒下にテントを張らせてもらう。 7/25 出発(6:45)〜バケリア(8:00)〜ポルタチェロ・デ・ヤンガヌコ(9:00) 〜ピスコ登山口(12:00)〜ワラス 昨夜は星も見えていたのだがまた雨が降りそうだ。村の中を通ってバケリヤま で歩く。丁度、コレクティーボが待っていたので寿司詰めのハイエースに乗り 込む。峠にさしかかるとガスが晴れ山が見えてきたので峠で下車。ヤンガヌコ 谷周辺の山の展望を楽しみながら車道を下る。 7/26 ワラス滞在 土産を買ってアルマス広場でビール飲んで昼寝 7/27 ワラス滞在 谷川さんにクイ(モルモット)をご馳走になる。肉は淡白で癖がない。食べる所 が少ないのが難点か? 昼からバーニョス・モンテレーで汗を流す。 7/28 チャビン・デ・ワンタル ツアー(世界遺産) 草むらに埋もれた遺跡で、周辺ではアルパカが放牧?されている。 これが世界遺産?と首をかしげたくなるが、スペイン語のガイドではチンプン カンプンで何がすごいのか分からない。とにかく疲れた。 7/29 ワラス〜リマ 谷川さんに見送られワラスを後にする。再び、太田さんにお世話になる。 7/30 リマ滞在 ミラフローレンスでお買い物。21時に空港でチェックイン。 7/31 リマ〜アトランタ〜 8/1 〜成田〜富山
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