8/13 雪 ホワイトアウト 
C3(5:30)〜5435m(9:20〜12:00)〜C2(13:00)
 願い空しく、昨夜から雪が降り続いている。風は弱いので下山を開始する。フ
ィックスを掘り返しながら下降を続ける。フィックスの終了点からは赤旗を打っ
ておいたのだが、間隔が広くなると赤旗を見失ってしまう。3人で横に広がり赤
旗を探すが見当たらない。 ついにルートを失ってしまう。見たことも無い氷穴
やクレバスが周りに散在している。このまま動き回っても正規のルートには戻れ
ないと判断しテントを張って天候の回復を待つことにした。
 待つこと2時間。次第に視界が広がっていく。長坂と赤旗を打ちながら偵察に
向かう。やはり、左よりに降りすぎてしまっていた。赤旗を見つけ、正規のルー
トを確認しテントに戻り、撤収。無事C2に辿り着くと、多賀さんを始めスペイ
ン合同隊がテントから出てきて祝福してくれる。
 ここまでくれば終わったも同然。「スペイン隊にフィックス要らないか?」と
聞いてみるが、彼らが言うには「金払うのなら要らない。僕らはロープもスノー
バーも持ってきてるから。タダなら使ってもいいが、他人の作った支点は信用で
きないから要らない」とのたまった。(ガイドの意地か?)そこまで言うならこ
っちも意地がある。「分かった。じゃあ、明日回収するから」と言ってやった。
 夕方、スペイン隊のガイドがやってきて「?ドルなら、買ってもいい。ただし、
フィックスの取り付きまで案内しろ」と言う。僕らも回収するのは面倒なので、
スペイン隊が回収する事を条件にフィックスを譲ることにした。
(スペイン隊はガイド、客3人、ハイポーター2人の6人組と別の仲間4人組の
合同隊で僕らはこの4人組をバカ4人組と呼んでいた。)
  
8/14 晴れのち雪
C2(6:00)〜上部フィックス取り付き(10:00)〜C2(12:30)
 4時出発の予定だったが、スペイン隊のガイドが「今は天気が悪いから6時に
しよう」と言ってきた。そして6時。「今日は天気が悪いから登らない。フィッ
クスも要らない」と言い出す。「このやろー」と思ったが仕方ない。多賀さんと
大森に荷下げを頼み、長坂と二人で回収に向かう。「たぶん、こいつら俺達のト
レース使って登ってくるな」と思ったら、案の定、テントから出てきて登ってく
る。
 長坂はあっという間にフィックスの終了点からロープを回収しながら下ってく
る。「一応、ビレイでもしようかな」と思っていたのだが無駄足だった。全ての
ロープとスノーバーを回収し終わった頃、ガイド、パイポーター、客の3人と合
流。彼らはコンテで登ってくるので、すれ違うときに「今日は天気が悪いから登
らないんじゃなかったのか。雪降ってるのに何故登ってくるんだい」とイヤミを
言ってやる。
 C2の少し上でバカ4人組が休んでいる。僕も休憩、色々話しをするが彼らは
さっぱり登ろうとしない。「こいつら、全然登る気ないな」と思った。夕方、彼
らがテントにやってきて「スープ持ってないか?」と言い出す。翌日には、「ロ
ープを売ってくれ」と言い出す始末。「だから、昨日フィックス売ってやるって
言ったじゃないか!!」
 もう、ロープは売ってしまっていたのだった。実は、多賀&大森が下山途中、
後続のイラン隊のガイドがロープとスノーバーを売って欲しいと言ってきたの
で、回収したロープとBCに置いてあったスノーバーをイラン隊に売ってしまっ
た後だった。(栃木隊のスノーバーは使用不可能な状態だったので、これは荷下
げした)

8/15 晴れ
C2(9:20)〜C1(12:30)〜BC(14:00)
 スペインガイドパーティーの夫婦2名の調子が悪いのでC1まで一緒に降りて
もらえないだろうかと頼まれる。スペインバカ4人組は1人を残して出発、残っ
たガイドパーティー3名もすぐ出発した。もたもたしてたらイラン隊がやってき
た。パキスタン人ガイドとドイツのおばちゃん、イギリスの若者の3名。イラン
の若者多数はBCにいるらしい。ガイドにロープを渡し、残ったガスボンベ3個
はくれてやる。
 さて、スペイン人2名をそれぞれがアンザイレンしてC1まで下っていくと、
大森とアリ(キッチンボーイ)が迎えに来てくれていた。大森とアリに荷物を分
けて持ってもらいBCへ下山開始。スペイン人とはここでお別れ。
 BCが近づくとフセイン(コック)がホットレモンを入れたやかんを持って迎
えに来てくれる。なぜかサラーム(栃木隊のコック)とも再会。
 早速、登頂祝賀パーティーが始まった。BCでは僕らのいない間、かなり暇だ
ったようで石のテーブル、イス、そしてキッチンテントからパーティー会場まで
は階段が出来ており、周りが花で飾られている。どう見ても僕らでは動かせない
ような大きな石がテーブルやイスになっている。そして、テーブルにはケーキや
ドーナッツなどいろんな料理が並んでいる。とても僕らだけでは食べきれない量
だ。感謝・感激だ。ただ他に祝ってくれる人が少ないのがちょっと寂しい。栃木
隊の時は僕らのほかにスペイン隊もいたのでにぎやかだったから・・・ BCに
はイラン隊がいるが・・・

8/16 晴れ
 BCで荷物の整理、髭剃り、洗髪、洗濯。天気が良いので乾くのも早い。

8/17 晴れ
 BCに降りてきたら天気が良くなるなんて・・・

8/18 晴れ
BC(8:50)〜ボロチョ(12:40〜14:00)〜マンビホーラ(18:40)
 ポーター9名がBC入り。隊荷の総量が思っていたよりも多かったので、ポー
ターが不足しポーターは各自3〜4kgのエキストラ、隊員もそれなりの荷物を
担いで下山となる。特に長坂は35kgの荷物。ポーターと勝負するらしいがボ
ロチョの先でダウン。大森と僕で交代してマンビホーラまで荷下げする。
 マンビホーラに着いてもキッチンテントを持ったポーター達がまだ到着しない
ので、先着のノースパキスタンのテントでお茶とビスケットをいただく。多賀さ
んはかなり遅れているいるようなのでフセインが迎えに行く。
 暗闇の中、遅れていたポーター達が到着したのでキッチンテントを立てて待っ
ているとフセインが多賀さんの荷物を背負ってやってきた。多賀さんとサラーム
が着いたのは9時近かった。お疲れ様。

8/19 晴れ
マンビホーラ(8:00)〜アランドゥ(11:00〜14:30)〜チュトロン(17:00)
 アランドゥ村の入り口でカラールの出迎えを受け登頂祝いのレイをかけてもら
い、アリの家へお邪魔する。ケーキやお菓子で腹一杯になったのにさらにチキン
カレーまで出てくる。さっきまでその辺で走り回ってた雄鶏なのだろうか?
 黄金色の麦畑を通り抜け、例の吊橋を渡るとジープが待っている。ポーター達
も次々やってきたが、賃上げ交渉が始まった。いつもの事らしいが・・・
 今日はチュトロン止まり。何故って? 温泉があるからです。お湯は透明で殆
ど無臭。湯船はいくつもあるみたいで、周辺の村人もみんな入浴に来ている。
8/20 雨
チュトロン(8:00)〜スカルド(11:00)
 朝風呂に入ってスカルドへ。

8/21 晴れ時々雨 
スカルド(7:00)〜チラス(17:30)
 スカルドを5時に出発してベシャムまで行くつもりだったが、最近の雨で土砂
崩れが多く道路が通行できないという。開通時間に合わせて出発し、今日はチラ
スまで。
 この前きた時は熱風が吹いていたが今日は涼しい。

8/22 晴れ
チラス(6:00)〜イスラマ(19:00)
 チラスから1時間ほど走った所で、いきなり前輪を外してブレーキを分解し始
めた。そのうち運転手は来た道を歩いて戻っていくではないか。どうも落として
きた部品を探しにいったみたいだった。
 ベシャムでランチ。そして夕闇迫る頃、イスラマに着いた。
大住さんがシルクロードの余り物を食べさせてくれると言うので久しぶりにまと
もな日本食とビールにありつく。感謝感謝。

8/23 晴れ
 日パの事務所に行くとHAJ隊のTさんが下山中クレバスに落ちて亡くなった
らしい。同じ飛行機でパキスタンへやってきて、何度も顔を合わせていたので他
人事とは思えない。Tさんの御冥福を祈って合掌。
 荷物の整理をして、デブリーフィング、ヘリ会社へ行き、事務処理は終了。後
は荷物を送るだけだが、郵送の場合、白い布で包まないといけないらしい。バザ
ールで布を買ってきて郵便局へ荷物を持ち込む。ちゃんと日本へ着くのだろう
か?

8/24 晴れ
 アッパラマーケットへ行ってお土産を探すが日曜日なので殆どの店が閉まって
いる。近くの日曜市の開かれるジュマバザールを覗いてみるが、野菜・果物や布
地・日用品ばかりでお土産になりそうなものは見つからなかった。だけど、バザ
ールは楽しい、覗いてるだけで面白い、ちょっと疲れるが・・・
 空港へ。フセインが見送りに来てくれるが空港内には入れない。

8/25 晴れ
成田〜富山(21:00)
高速バスの回数券があったので電話して予約状況を確認すると今日は満席。しか
たなく?新幹線で富山へ。しかしこれで今日中に家に帰る事が出来、うまい刺身
にありついた。
  BCへ下山の朝 スペイン隊はC3へ バカ4人組 BCでの登頂祝賀会 BCでの登頂祝賀会 フセイン・ダルカリー作成中 BC撤収の朝 ラベンダーでの夕食 
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